失われた30年を終わらせる——ReNova株式会社COO・西内綾哉さんが描く、企業と個人の「ビヨンド」

企業の組織変革や経営者のコーチングと聞くと、論理的でドライなコンサルティングを想像するかもしれません。しかし、ReNova株式会社のCOOである西内綾哉さんとの対話していると、その根底にあるのは驚くほど人間臭く、体温のある「おせっかい」なのだと気づかされます。

創業わずか4ヶ月で約20社との契約という驚異的なスピードで成長を続けるReNova。その立役者である西内さんは、クライアントに対して決して「すごいですね」とは言いません。「本当にその目標でいいんですか?」と問いかけ、相手をコンフォートゾーンから引きずり出す。今回の対話は、企業が、そして人が「変わる」とはどういうことなのかを深く掘り下げる、非常にエネルギッシュな時間となりました。

人生を変える「おせっかい」という名のつなぎ

対話の冒頭、佐藤孝治が明かしたのは、自身が個人事業主として独立するきっかけを作ったのが、他でもない西内さんだったというエピソードです。

前職で総務を担当していた佐藤が退職する際、西内さんは「マッチする人がいるから」と、ある企業の社長を紹介しました。そこから佐藤は1年にわたる伴走支援を経て、名古屋で新たな一歩を踏み出すことになります。西内さん自身は「大層な理由はない、自然とそうなっただけ」と笑いますが、この「おせっかい」とも言える行動力が、結果として人の人生を大きく動かす「つなぎ」となっているのです。

サウナ仲間として定期的に語り合う二人。西内さんの伴走はパワフルで、背中を押す力が強いと佐藤は語ります。この「相手の可能性を信じて、少し強引にでも引き上げる」というスタンスは、そのまま現在のReNovaの事業の核となっています。

創業4ヶ月で20社。急成長を支える3つの柱と、次なる100億への布石

2023年11月に設立されたReNovaは、「失われた30年を私たちの代で終わらせる」という力強いビジョンを掲げています。現在、彼らが展開しているのは主に以下の3つの事業です。

事業の柱内容特徴と効果
1対1のコーチング経営層や幹部との月2回のセッション視座を引き上げ、不要な行動をやめさせる。短期間で投資回収を実感させる
グループコーチング営業部隊などへの研修形式(1対多)個人の目標設定と行動変容を、評価制度と連動させながら組織全体に浸透させる
CHROパートナー人事のプロとしての伴走支援成長企業の人事課題(MVV策定、制度設計など)を中長期的に解決する

これらを組み合わせることで、創業間もないにもかかわらず、すでに多くの企業から絶大な信頼を得ています。しかし、西内さんの視線は現状の成功には留まっていません。

「今のモデルは専門性が高く、労働集約的です。このままでは売上10億で止まってしまう。100億を目指すためには、一定の教育を受ければ誰でも高い価値を提供できる、いわば『セントラルキッチン』のような新しいプロダクトが必要です」

うまくいっている時にこそ、そこに安住せず次の手を打つ。この経営者としての冷徹なまでの自己客観視が、ReNovaの成長スピードを支えているのでしょう。

アジア展開から見えてきた、新しい「日本的経営」の輸出

さらに驚かされるのは、創業1年目にしてすでに海外、特にフィリピン・セブ島への展開を見据えている点です。欧米発祥のコーチングを、成長著しいアジア市場へ持ち込むという野心的な挑戦。そこには、単なる市場拡大以上の深いテーマが隠されていました。

現地でビジネスリーダーたちと話す中で、西内さんはある事実に直面します。「日本の経営モデルで何を知っているか」と問うと、彼らの口から出てくるのは数十年前の「カンバン方式」くらいだったのです。

「そこから日本の組織論で海外に輸出できるようなモデルが、全くアップデートされていない。だからこそ『失われた30年』なのだと痛感しました」

この気づきは、ReNovaの活動に新たな意味を与えます。日本企業をコーチングし、変革をサポートしていく中で、これからの時代に合った「新しい日本的経営のモデル」が体系化されていくのではないか。そしてそれを、世界へ輸出できるのではないか。対話の中で生まれたこの壮大な仮説は、今後のリノーバの展開を追う上での大きな見どころとなるはずです。

究極のワークアウトと、コーチとしての「在り方」

ビジネスにおいて圧倒的な行動力を見せる西内さんですが、プライベートでも常人離れした挑戦をしています。それが、世界一過酷とも言われるフィットネスレース「HYROX(ハイロックス)」への出場に向けたトレーニングです。

週3回、朝6時半からジムで自身を極限まで追い込み、7時にはオフィスに出社。そして18時にはすべてのタスクを終えて退社するという、徹底したルーティンを確立しています。なぜそこまで自分を追い込むのでしょうか。

「コーチという職業をしている以上、自分が心身のバランスを体現できていなければ説得力がありません。相手に『その目標でいいんですか?』と問うためには、自分自身がコンフォートゾーンを越え続けていなければならないんです」

西内さんの言葉には、一片の淀みもありません。「コーチは未来のクライアントの仲間であり、今のクライアントの敵である」。人はどうしても現状維持を望んでしまう生き物です。だからこそ、コーチは相手の「今の自分」を否定し、「本来到達できるはずの未来の自分」の側から、強く引っ張り上げなければならないのです。

「すごいですね、と肯定してしまった時点で、相手の現状を許容してしまうことになる」と語る西内さん。その厳しい眼差しは、クライアントへの深い愛情と、「人はもっといけるはずだ」という強い信頼の裏返しに他なりません。

コンフォートゾーンを飛び出し、自分たちらしくない行動を取り続ける。そのヒリヒリするような実践のプロセスは、文字で読むだけでも背筋が伸びる思いがします。しかし、実際の動画では、西内さんの言葉の熱量や、それに呼応する佐藤の楽しげな表情が、よりダイレクトに伝わってきます。現状に少しでもモヤモヤを抱えている方、もっと突き抜けたいと願っている方は、ぜひ動画の中で、西内さんの「おせっかいな熱」を浴びてみてください。

つなぎ道トーク #10 西内綾哉|なぜコーチがクライアントの『敵』になるのか? 自身も世界へ挑み、日本を再起動させるReNovaの野心

ReNova株式会社 COO。「失われた30年を私たちの代で終わらせる」をビジョンに掲げ、2023年11月に同社を共同創業。企業の経営陣に対するエグゼクティブコーチングや、組織変革の伴走支援を行う。自身も過酷なフィットネスレースに挑戦するなど、常に限界を突破し続ける実践者。

https://re-nova.co.jp

https://www.facebook.com/nishiuchi.ryoya

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